びっくりするほど沼だった
流行っていたのは知っていた。
しかし、ハマらまいと思っていた。いや、ハマる事が怖かった。
タイ沼。
なんでこう、美形ばっかり出てくるかなあ。
2次元と見紛うばかりのビジュアルだよ。
なんであんなに顔がいいの。
なんであんなにスタイルがいいの。
もうさっぱりわからん。
私が持っていたタイという国のイメージを、いい意味で大きく覆してくれた。
口を開けば、「タイ沼いいよ」「タイ沼いいとこ、一度はおいで」。
みゅがる、いいよ。
色々見て見たけど、一番あろーいだったのは、みゅがる。
リアルタイムでハマりたかった。
ハイスペックでスパダリな男、ぴみゅ。性格がめんどくさそうで、オタクなとこもあろーい。
天使の概念を具現化した男、がるぴ。ぴみゅの前ではあざと可愛いとこ、他の人の前ではやんちゃなとこ、何その二面性!あろーい。
とりあえず、「おいしい」はタイ語で「あろーい」と知り、使ってみているのである。
あろーいでやばーいなタイ沼、春頃に突然ハマった。
その頃、くろあだ沼にいた私は、余裕をかまして、「去年くらいに流行っていたタイドラマとやらを見てみよう」と気軽にCSで見たのであった。
ふーん、へー、と思いつつ、ターンタイプ2を一挙放送で見た。途中まではよかった。効果音がすごいな、話の雰囲気が90年代のやおいだな、演出がトレンディドラマだな、と思ったりしていた。
なのに。
出てくる男子たち、顔良しスタイル良しときたもんだ。しかもバラエティに富んだビジュアルだ。
はっと気が付くと、タイ語も分からないくせにインスタをフォローしたり、作品を調べたりしているではないか。
あれ、これはまずいのではないか。
タグ検索をして、みゅがるツーショットをスクショしている。
おや、なんかおかしいぞ。
スマホの壁紙がみゅがるになった。
ちょっともういいよ!!!!!!!
イブロシェも買いに行った。苦手だったタイ料理も食べに行ってみた。
もうよく分からんけど、楽しい。
いまここ。
タイ沼のセット売り商法、かつての男性声優セット売り商法を思い出さずにはいられない。
BLCD、ラジオ、イベント、果てはアニメまで。申し訳ないと思いつつも、ついつい萌えのために追いかけていたあの頃。やがてそれぞれが別の道に進み、セット売りは思い出の中でじっとしていてくれ、みたいになった。
それでも、とにかく楽しかったあの頃。
その、楽しかった気持ちを思い出させてくれたのだ。タイ沼は。
初めてBLに触れた90年代。キャラクター、ストーリーともに、設定盛り過ぎの現実離れした世界が広がっていた。
リアルな人が演じるBLにのめり込んだ2000年代。物語なのか、現実なのか、区別がつかなくなる世界が広がっていた。
まさか、2020年代、その二つの世界が融合するなんて思わなかった。
しかも、舞台は、タイ。
耽美以降BL以前の「やおい」の雰囲気を、完璧な作画の人間が演じている。舞台裏もあろーいなんて。
そうだよ、私、舞台裏好きじゃん!!
BLCDだって、フリト最高だったじゃん!!
イベントだって楽屋密着わくわくしたじゃん!!
それだよ、それ。
なんかもう上手くまとまらないけど、
タイ沼あろーい、って事でいいね!